研究課題/領域番号 |
14540360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 佐賀大学 (2004) 佐賀大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
末崎 幸生 佐賀大学, 医学部, 教授 (80069484)
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研究分担者 |
竹生 政資 佐賀大学, 医学部, 教授 (30207005)
梅田 民樹 神戸大学, 海事学部, 助教授 (90243336)
一ノ瀬 浩幸 佐賀大学, 医学部, 教務職員 (10232406)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脂質2分子膜 / ベシクル / カップ状ベシクル / タンパク質 / 吸着平衡 / 界面活性剤 / 可溶化ミセル / ガウス曲げ弾性定数 / 脂質膜ベシクル / 曲げ弾性エネルギー / 数値解析 / 間歇的形状変化 / 異常レオロジー / 脂質ベシクル / flexo-electricity / shear bending / 周期的揺動 / 非線形振動 / イオンチャネル / 脂質2重膜ベシクル / 麻酔作用の分子論 / 胆汁酸 / 光ピンセット法 / 界面活性剤吸着 |
研究概要 |
本申請課題「脂質膜の形状相転移の理論的研究」の最終年度に当たり、まさにその課題どおりの球状脂質2分子膜ベシクルからタンパク質タリンの添加による、カップ状ベシクルへの相転移の理論を完成させて最終的に論文発表に至ることができた。カップ状ベシクルを割球として近似し、吸着平衡のメカニズムを解明させたのは1999年のことであったが、より正確な形状の数値計算による解析が課題として残っていた。このテーマも本申請により加わってもらった梅田民樹博士の尽力により完成し、最終年度に出版までに漕ぎ着けることができた。結果は発表論文(Phys.Rev.E71)に挙げているが、自発面積差(自発曲率に対応)とラインテンションをパラメータとして観測されている割球ではなくいびつなベシクル形状を再現できた。さらにそのカップの縁の形からガウス曲げ弾性定数に対する重要な知見を得ることができることと、それがベシクルの融合や分裂に重要な関わりを持つことが判明し、今後の研究の進むべき方向が示された。特に融合や分裂の物理的メカニズムについては理論的研究が少なく今後の理論的発展が期待される。 そのほか、梅田らは球状脂質膜ベシクル系に界面活性剤を投与したときに生じる、脂質の界面活性剤による可溶化に伴う段階的サイズの縮小現象の解析を行い、論文として発表した。段階的という意味は見かけ上静かな球状を保った状態と、激しく揺らぎながら吸着による脂質の減少による小さいサイズの次の球形ベシクルへの転移を生じる相を繰り返すことを指す。 最後に研究代表者(末崎)が退官を迎える直前に研究計画が無事終了し終えたことは代表者として大変喜ばしく、科研費を授与して頂いた文部科学省と関係者に感謝に意を表して終わりとしたい。
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