研究課題/領域番号 |
14540378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
野崎 浩二 山口大学, 理学部, 助教授 (80253136)
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研究分担者 |
山本 隆 山口大学, 理学部, 教授 (00127797)
朝日 孝尚 山口大学, 理学部, 教授 (30184154)
浦上 直人 山口大学, 理学部, 講師 (50314795)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 炭化水素鎖 / 真空蒸着膜 / 分子配向 / 回転相 / X線散漫散乱 / ポリプロピレン / n-アルカン / アルカンチオール / 固相転移 / 秩序無秩序型相転移 / 結晶多形 / 結晶化 / γ相 / 蒸着膜 / 活性化エネルギー |
研究概要 |
薄膜系における炭化水素鎖の構造形成を、n-アルカンを用いて調べた。長鎖分子膜膜系では、分子軸が基板に垂直に配向する垂直配向と平行に配向する平行配向状態が特徴的に出現する。本研究で系統的に出現挙動調べた結果、蒸着速度が遅く基板温度が高い場合、さらに鎖長の短いアルカン、炭素数が偶数のアルカンの方が垂直配向状態になりやすいことがわかった。明確な基板依存性も現れたが、これは真空蒸着という速度論的要因に支配されやすい成膜方法を用いたことが影響していると推測された。この分子配向の形成メカニズムについてはコンピュータシミュレーションによっても調べた結果、分子と基板との相互作用の強さにより分子配向挙動が大きく変化することが明らかになりつつある。次に、n-アルカンなどに見られる特徴的な高温結晶相"回転相"における炭化水素鎖の振る舞いを調べた。回転相では低温結晶相と比較し、分子は分子軸周りの回転的な運動や、分子軸に沿った並進的運動が激しい。これらの構造揺らぎについてX線散漫散乱を解析することにより考察したが、分子は短距離相関を持って揺らいでいることがわかった。次に、n-アルカンの末端をSH基で置換したn-アルカンチオールを用いることで末端基間に弱い水素結合を有する炭化水素鎖分子結晶の構造形成を調べた。その結果、n-アルカンと類似した構造形成を示す一方で、水素結合の存在に起因する特有の構造形成過程を見ることができた。その他、ポリプロピレンに見られる分子鎖が交差する特徴的な結晶相(γ相)における構造形成を実験的手法で調べた。さらに剛直な長鎖分子をモデル化した棒状分子と球状粒子の混合系における棒状分子の秩序構造形成をコンピュータシミュレーションによって調べ、統一的な秩序形成メカニズムを提案した。
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