研究課題/領域番号 |
14540405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 東京海洋大学(水産) |
研究代表者 |
吉田 次郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30174931)
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研究分担者 |
北出 裕二郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50281001)
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | WOCEデータセット / 密度比 / 二重拡散対流 / Salt FInger / Diffusive型対流 / 北太平洋中層水 / 水平拡散 / キャベリング / Salt Finger / Diffsuive型対流 / ソルトフィンガー / 東亜熱帯モード水 / XCTD / 暖水塊 |
研究概要 |
WOCEデータセットを用いて全球での密度比の分布を調べた。その結果、全球海洋の42.8%にも上る層で二重拡散対流の発生条件が満たされ、海洋大循環過程、水塊形成過程などに二重拡散対流が影響を及ぼしている可能性が示唆された。また、Levitus気候値データによる密度比の分布と比較すると、水平、鉛直スケールが大きく、定常的な海洋構造における分布はほぼ一致したが、(1)黒潮と親潮の混合域などの時間と共に変化する海洋のフロント域では、WOCEデータセットでは水温、塩分のシャープなフロントが見られ、R_ρ、Turner angleから二重拡散対流が活発であることがわかった。その一方でLevitus気候値データではシャープなフロント域が平均することによってなまらされてしまっていた。(2)北大西洋地中海、インド洋紅海から放出される高温・高塩分水の上層では二重拡散対流によって生じたと考えられるsalt finger、diffusive型対流の発生条件を満たす層が交互に重なる相互貫入現象が見られたが、その構造の鉛直スケールが小さいため、Levitus気候値データはこの構造を捉えていなかった。 北太平洋中層水(NPIW)の起源水塊の三陸沖合混合水域における密度増加について中立面解析、乱流混合資料解析、水平貫入モデル解析を行い、以下のような描像を得た。NPIWの起源水塊(親潮系水)は、何らかの力学機構によって亜寒帯循環から亜熱帯循環に移流し、混合水域において黒潮系水と混合し変質する。変質は、主に等密度面上の水平拡散により、それに伴ったキャベリングによる密度増加が起こる。一方、鉛直混合過程として、乱流と二重拡散対流の両方が起こり得る。特に、異なる水塊が接し、大きい水温・塩分偏差が形成されると、二重拡散対流による浮力フラックスが、乱流によるそれより卓越し、下層を重くする。これらの鉛直混合過程によって起こり得る最大密度増加量の見積りから、親潮冬季混合層水は、σ_υ=26.80kg/m^3より浅い層の低塩分化に寄与する。この結果から、σ_υ=26.80kg/m^3周辺の低塩分化には、オホーツク海モード水が主に寄与すると考えられる。
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