研究概要 |
本研究では次のような研究成果が得られた. 1.陸域環境指標抽出のために河川堆積物に含まれる"陸生動物化石密集層"を対象とし,その形成過程を明らかにした.また,その化石群集から生息環境および生態を推定し,そこから得られる陸域環境情報を形成過程と照らしあわせて解析した. 2."陸生動物化石密集層"を包含するいくつかの河川堆積システムの堆積相解析結果の比較から,その化石群集組成と堆積システムの関係を明らかにした. 3.氾濫原堆積物は,おもに砂泥薄互層や泥層からなる.これらは静穏時にゆっくりたまった泥や河川から急速に溢れだした砂や泥,また,それらによって巻き上げられた泥や生物擾乱を受けた泥などからなる.これら1枚1枚の粒度分析および鉱物組成分析おこなうことによって,薄層1枚1枚に保存されているイベント情報を明らかした. 4.河川の氾濫原堆積物は洪水イベントを保存している.大洪水はその地域の環境を大きく変化させるものであり,環境変動の引き金となる.いくつかのこのような陸域のイベント堆積物の特性を検討した. 5.大型平面水路と用いて,河口部に水域をつくり,その水位や砕屑物供給量を変化させ,河道変化と氾濫作用を観察した.これらと地層に残る河川堆積物の形状との関連を考察した.
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