研究課題/領域番号 |
14540443
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
黒澤 正紀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50272141)
|
研究分担者 |
加藤 工 九州大学, 大学院・理学研究院・地球惑星科学部門, 教授 (90214379)
中野 孝教 人間文化研究機構, 総合地球環境学研究所・研究部, 教授 (20155782)
小松原 哲郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10195852)
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | プロトンビーム / 微量元素分析 / 流体包有物 / PIXE / X線分析 / プロントビーム |
研究概要 |
本研究では、地球内部流体による元素運搬を解明するため、高エネルギー陽子線を用いたPIXE法による流体包有物の組成分析法の開発を行った。この研究では、1)定量分析を行うための計算手法の開発、2)その計算手法の妥当性を検討するアナログ流体包有物の開発とPIXE分析、3)天然の流体包有物を分析する際の誤差の推定、4)熱水石英脈中の流体包有物の分析を実施した。 流体包有物の定量法は、Ryan et al.(1993)とCampbell(1995)の手法を組み合わせて開発した。この方法は、X線検出器の実質的感度因子とX線発生の形状補正を用いており、数値積分が工夫されているため、充分な計算精度が期待できる。この計算法に基づいて新たに作成したアナログ流体包有物をPIXEで定量した結果、理想状態では流体包有物中の微量元素を±7%の相対平均誤差で定量できることが分かった。アナログ流体包有物は石英ガラスの気泡に多元素標準溶液を注入することで作成した。 天然の流体包有物分析では、包有物の埋没深度を光学顕微鏡で決定するという制約から、その誤差にさらに深度決定に起因する誤差が加わる。筑波大学の測定条件では、石英中の半径30mm、埋没深度20mmの流体包有物を分析する場合、Caを±40%で、Feを±16%で、Znを±13%で、Srを±12%、BrとRbを±11%の総合誤差で定量できることが分かった。これ以外の誤差の要因としては、楕円体による包有物形状の近似による誤差、塩水である天然流体をH_2Oとして近似した誤差、NaCl娘結晶の存在による影響が考えられるが、これらは小さな影響しかないことが分かった。また、石英中の埋没深度20μm、半径30μmの流体包有物を4MeVのプロトン、1.0μCの積算電荷の条件で測定した場合、遷移金属元素の検出限界は4〜46ppmで、天然の流体包有物分析には充分な検出能力であることが分かった。 開発した定量法によって長野県川上村川端下の花崗岩起源の熱水石英脈の流体包有物を分析した結果、花崗岩起源の熱水流体には0.2-9wt%のCaとFe,300-8000ppmのMnとZn、40-3000ppmのCu、100-4000ppmのBr,Rb,Sr,Pb,そして100ppm以下のGeが含まれていた。
|