研究課題
基盤研究(C)
この研究で、日本列島の新第三紀以前の砂岩中のモナザイトがほぼすべて年代測定された。博物館に収集されている砂岩で砕屑性モナザイトの年代が決められた試料は、美濃帯、四万十帯、秩父帯、足尾帯、北部および南部北上帯、北海道東部及ぶ北部の白亜紀、舞鶴帯、超丹波帯等で約千点に達している。本年度は、沖縄の資料に含め、分析されていなかった砂岩を採集するとともに、その中のモナザイトの年代を測定した。砂岩のモナザイト年代から、供給源が主に3つに分類できることが判明した。最も一般的なものは、19億年と2億年前後のピークをもつ砂岩である。このタイプが日本列島のほとんどの砂岩を占める。代表的なものとしては、ジュラ紀の美濃帯、足尾帯、秩父帯、白亜紀の四万十帯などである。これらは付加帯を代表するものであるが、浅い海で形成された南部北上帯や手取層群などもこのタイプに属する。これ以外に、4から5億年に大きなピークをもつ砂岩、およびこれらに加え7億年や25億年前後のピークをもつ砂岩がある。前者には、北海道の浅い海の白亜紀層や舞鶴帯の砂岩がある。後者は、四万十帯の第三紀層である。砂岩の砕屑性粒子の起源は、日本海ができる前であり、すべてが大陸に起源がある。これまでに採集した大陸の砂岩との比較を行うと、19億年と2億年前後のピークをもつ砂岩は、韓半島から山東半島の南側に分布する物で、長期にわたり韓半島から供給されたものと考えられる。一方、4から5億年に大きなピークをもつ砂岩は、アムール川からの起源を示すもので、サハリンを含め北海道の白亜紀の地層は現在の分布から考えても問題ないものと思われる。舞鶴に関しては、古い時代のものであり、当時は、韓半島との別離して北方からもたらされたものと理解される。四万十帯の多くが7億年や25億年の年代を持つものがあり、これらは、揚子江との対比が可能である。
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