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フッ素の特性を活用したタンデムカチオン環化による多環式縮合環骨格の構築

研究課題

研究課題/領域番号 14540488
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

市川 淳士  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70184611)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワードカルボカチオン / フルオロアルケン / 遷移金属錯体 / 多環式縮合環 / S_N2'反応 / カチオン環化 / Friedel-Crafts反応 / ヘリセン / 遷移金属錯本 / SN2'反応 / プロトン酸 / 縮合環 / 二環式ケトン / タンデム環化
研究概要

フッ素置換基は、フッ化物イオンとしての脱離能と共に、非共有電子対の供与によるα-カチオンの安定化能を有する。この両性質を利用して2つのフェネチル基を有するgem-ジフルオロエチレン1から[4]ヘリセンを合成した。すなわち、1を超強酸(FSO_3H・SbF_5)でプロトン化し、フッ素のα位にカチオンを二回発生させ、これらのカチオンを分子内の二つのアリール基でそれぞれ捕捉した。これにょり1から一挙に四環式化合物を得た後、脱水素を行って[4]ヘリセンへと誘導した。また、フッ素の特性を活用したジフルオロアルケン1の簡便な合成法の開発と、超強酸に代わる金属錯体での1のカチオン環化も併せて達成した。ベンジルアニオンによる4-フェニル-2-トリフルオロメチル-1-ブテン2のS_N2'反応を行い、ジフルオロアルケン1を効率良く合成することに成功した。ここでは、1-トリフルオロメチルビニル化合物のS_N2'反応を有効に使って、炭素鎖の伸長とジフルオロアルケン部の構築を行っている。さらに、カチオン性のパラジウム錯体がフルオロアルケンの活性化に有効であることを見出し、これにより1から2回の分子内Friedel-Crafts反応によって四環式縮合環化合物へ容易に導けることを示した。すなわち、(CF_3)_2CHOH中で1にPd(BF_4)_2(CH_3CN)_4を作用させると、カチオン環化と続いて起こるフッ化パラジウムの脱離によりフルオロアルケン部を再生し、ここから再び同様の環化が起こり、[4]ヘリンのポリドロ体を混合物として与える。これをPd(OH)_2-C存在下で加熱することにより脱水素し、[4]ヘリセンが得られる。
以上のように、ジフルオロアルケンのカチオン環化反応が超強酸だけでなく金属触媒でも行えることになり、強酸条件では不安定な基質にも適用でき、官能基を有するヘリセン類の合成も可能となる。

報告書

(3件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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