研究課題/領域番号 |
14540576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 高知大学 (2004) 東京大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
高橋 正征 高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 教授 (50111357)
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研究分担者 |
池谷 透 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70361590)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 浮遊生物群集 / 海洋 / 食物網 / モデル解析 / 食物連鎖 / 生産速度 / 生物量 / 生態効率 |
研究概要 |
構成生物種のごく一部である優占種に着目した従来の生態系の理解は、正しさが疑問である。したがって、全構成生物種を対象とした生態系の理解を行って、これまで得られた知見の検証が必要である。 そこで、本研究では比較的小さな空間規模で均一性が成り立ち、生物種と生物量並びに食物連鎖関係が把握しやすい水界生態系に着目して、外洋の熱帯・亜熱帯・亜寒帯の外洋浮遊生態系を対象として研究を行った。それぞれの生態系内のプランクトン生物を可能な限り完全に採取・同定し、種ごとの生物量と種間の「食う-食われる関係」を把握して、食物網に整理した。その際に、真光層中心の表層生物群集から、真光層以深の従属栄養過程中心の、中・深層も含めて、海洋全体の把握を目指した。 熱帯・亜熱帯・亜寒帯の外洋表層浮遊生態系で得られた種と各種の生物量の情報をもとに、食性の違いで一次生産者、溶存有機物利用生物、懸濁粒子利用生物の機能群に分け、さらに「小が大に食べられる」という食物連鎖の基本原理を利用して、全生物種を大きさ別にコンパートメントに分けた。それぞれの機能群でコンパートメント化した各生物種を食物連鎖系でつなぐ新しい方法で食物網を推定した。実測データに基づいた全生物種を含んだ食物網の推定は始めてである。種、大きさ、生物量の3つの因子が作用して生物群集の機能が特徴的に決定している様子が明らかになり、従来型の優占生物種に着目した解析では評価されない非優占生物種が関与した重要現象の存在が複数示された。 海洋の中・深層の浮遊生物群集は、生産者を欠く従属栄養過程中心の生態系であるが、これについては種ごとの生物量の整理までで、食物網解析は今後に残された。
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