研究課題/領域番号 |
14540585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
依田 清胤 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (30254832)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 直径変動 / 樹液流 / コンピュータシミュレーション / 樹木 / 根系 / 国際情報交換 / フランス / 幹・枝 / 水分配 |
研究概要 |
本研究は、樹木直径変動の多点同時計測から、樹木の水動態を非破壊的に把握し、その変動を予測するためのコンピューターシミュレーションプログラムの構築に必要な情報を収集することを目的として遂行された。 モンペリエ(フランス)近郊のアグロフォレストリ試験場において、植栽されたクルミを対象として、枝・幹・根の直径変動の同時計測を実施した。その結果は以下のとおりであった。1.野外における樹木直径多点同時計測系の確立:既存の計測系に太陽光発電装置を組み込むことによって、野外の長期計測に対応した電源を確保し、計測系の管理・維持に必要な労力を大幅に軽減するとともに、設置場所について選択の自由度を上げることができた。2.樹木根系への直接アプローチ法の確立:空気圧を用いた掘削機を採用することによって、根への損傷をごく軽微な状態に抑えつつ、根系周囲の土壌を取り除くことに成功した。このことにより、根系を直接的に対象とした各種計測の実施が可能となった。3.直径変動に内在する季節変動と日変動に関する情報の分離:樹木の直径変動のうち、季節変動に関わる要素と日変動に関わる要素を分離し、これら二種類の直径変動の発現特性が樹木の枝、幹、根で異なることを示した。4.樹木個体の直径変動発現にみられる部位依存性の確認:樹木の幹と枝、幹と根のあいだで直径の日周変動の発現過程を比較検討した結果、いずれにも発現時間に差異が生じていることが確認された。また、この発現時間差が部位ごとに異なることから、根から葉に向かう水の流れの定常性を再検討する必要があることが強く示唆された。 以上の結果から,樹木の水動態に関するシミュレーションプログラムを開発するために、樹木の季節成長、地上部と地下部の内部構造、樹液流と直径変動との対応関係、樹木周辺の環境変動に関する情報の集積が必要であることが示された。
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