研究課題/領域番号 |
14540591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉岡 泰 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60202397)
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研究分担者 |
町田 泰則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80175596)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 葉緑体 / 葉緑体分裂 / シロイヌナズナ / タンパク質輸送 / 細胞分裂 / 細胞分化 / プラスチド / オルガネラ / タンパク質シャペロン |
研究概要 |
研究期間内にCRLタンパク質がプラスチド外包膜に存在する膜内在性のタンパク質である事を明らかとした。また、プラスチドの外包膜以外の場所にはCRLタンパク質はほとんど存在していない事からCRLタンパク質はプラスチドにおいて機能するものと考えられた。また、CRLタンパク質を過剰に発現しても植物の形態、葉緑体の大きさ数、形態は野生型と同じであった。cr1変異体のプラスチドの微細構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果、葉緑体の内部膜構造には変化が見られない事、および、分裂組織中のプロプラスチドも野生型に比べて多くなり、一細胞あたりの数が減少している事が明らかとなった。抗CRL抗体カラムを用いて植物の細胞抽出液からCRLタンパク質を含むタンパク質複合体を精製した結果、ルビスコ小サブユニットの前駆体タンパク質、および2つの光化学系I複合体の構成タンパク質の前駆体タンパク質がCRLタンパク質と共に精製された。さらに、cr1変異体においてはルビスコ小サブユニットタンパク質の葉緑体移行シグナル配列に融合したGFPタンパク質が葉原基や発生初期の根の細胞においてプラスチドへ輸送されていない事を明らかとした。以上の結果から、CRLタンパク質はプラスチド外包膜に存在し、プラスチドへのタンパク質の輸送に関与しているものと考えられた。研究期間内にCRLタンパク質がプラスチドへのタンパク質輸送に関与する新規な因子である可能性を明らかにできた。プラスチドへのタンパク質輸送がどのようにしてプラスチド分裂や植物細胞の分裂・分化に関与しているのかは今後解明すべき課題である。
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