研究課題/領域番号 |
14540596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 元 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60167202)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 光合成 / シロイヌナズナ / チラコイド膜 / ホスファチジルグリセロール / 葉緑体 / シアノバクテリア |
研究概要 |
ホスファチジルグリセロール(PG)は、生体膜を構成する酸性リン脂質であり、植物細胞においては主に葉緑体の包膜やチラコイド膜に存在する。そのため、PGは葉緑体力機能する上で重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、PGが葉緑体の機能発現や植物体の成長においてどのような機能を担っているかについてはまだよくわかっていない。 本研究では、高等植物におけるPGの機能を明らかにするために、シロイヌナズナのPG合成欠損変異株(CDP-ジアシルグリセロールとグリセロール3リン酸からホスファチジルグリセロールリン酸を合成する反応を触媒するPGP合成酵素が欠損している)を用いて解析を孝行った。その解析により、以下のような結果が得られた。(1)変異株はアルビノの表現型を示し、野生株に比べて成長が遅く、ショ糖を添加していない培地では生育できなかった。ショ糖を添加した培地では生育でき、花茎や花を形成したが不稔であった。(2)PGP遺伝子の翻訳領域を誘導型のプロモーターにつないだ遺伝子を変異株に導入した。形質転換体のカルスを培養し、培地にデキソメタゾンを加えてPGPを発現させると、葉肉細胞の緑化が観察された。(3)PGP3遺伝子がカルジオリピン合成酵素をコードしていることを明らかにした(PGPには3つの相同遺伝子が存在し、2つの遺伝子についてはPGP合成酵素をコードしていることを既に証明したが、PGP3についてはまだ証明できていなかった)。これらの結果から、葉緑体で合成されるPGが植物の成長や葉緑体の分化において重要な機能を担っていることが明らかになった。
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