研究課題/領域番号 |
14540619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 正則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30257349)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | Sexual orientation / 求愛行動 / 攻撃行動 / 脳 / central body / セロトニン / コオロギ / sexual orientation |
研究概要 |
雄のコオロギ成体による同種他個体の雌雄の認知と求愛行動及び攻撃行動を対象として、次の6点を解明した (1)他の雄による攻撃を受けると、脳セロトニンレベルが低下することを明らかにした。 (2)攻撃行動が示す雄が発するaggressive songはこの雄自身の脳セロトニンレベルの低下を抑えることを発見した。aggressive songは個体間のコミュニケーションにおいて用いられていることが知られているが、この他にaggressive songを発している個体自身の生理状態にまで影響を及ぼすことをこの結果は示す。 (3)翅の形態に雌雄差が存在することを明らかにした。 (4)雄が同種他個体の性を識別するうえで、翅からの視覚的情報は必要ではないことを明らかにした。 (5)触角を切除してから1週間後の雄では、sexual orientationがheterosexualからhomosexualあるいはbisexualに変化していることを発見した。さらに、この雄では脳セロトニンレベルが低下していることと、その低下は脳のcentral bodyで顕著であることを明らかにした。そこで、触角切除によってcentral bodyにおけるセロトニンレベルが低下した結果、sexual orientationが変化するという仮説を立てた。 (6)変態直前の雄幼虫のcentral bodyにおけるセロトニンニューロンの数が雄成虫と比較して少ないこと傾向を示した。 (7)変態してから1週間後に雄は雌に対する求愛行動を発現開始するが、これ以前では雌に対して攻撃行動を発現することを明らかにした。この現象は、雄コオロギの雌に対する行動は性成熟過程において攻撃から求愛へ変化することを示唆する。
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