研究課題/領域番号 |
14540626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 浩一 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (90194539)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 視物質 / 受容体 / 小胞輸送 / Rab / 視細胞 / シナプス小胞 / 色素顆粒 / ロドプシン / ショウジョウバエ / 質量分析 / クルマエビ / 多胞体 / 網膜 / オプシン |
研究概要 |
ショウジョウバエ視細胞における、ロドプシン輸送小胞の輸送経路を明らかにするため、抗オプシン抗体を用いた蛍光顕微鏡観察を行った。その結果、ロドプシンが微絨毛に運ばれる以前に、直径200nm以上あるより大きなベシクル(RLV)に濃縮されている事が分かった。このRLVには、微絨毛膜上のカルシウムチャネル蛋白質であるTRPも濃縮されるのに対し、細胞体ドメインの細胞膜に局在するNa^+-K^+ ATPaseは輸送されなかった。また、抗オプシン抗体による免疫電顕観察を行った結果、RLVの実態は多胞体(MVE)であることが明らかになった。更に、ロドプシンの輸送に関与すると考えられるRab11変異蛋白質による機能阻害実験を行った。その結果、変異体ではMVEの形成が阻害され、ロドプシンはMVEに集まることができず細胞質に散在する小胞に蓄積された。感桿の形成も阻害され、微絨毛膜への輸送がブロックされていることが明らかになった。同様の輸送阻害はTRPについても観察されたのに対し、Na^+-K^+ ATPaseは正常に細胞体膜へと局在化した。次に、ロドプシンの輸送小胞の単離を試みた。ショウジョウバエをカロテノイドおよびレチノイド非存在下で飼育し、オプシンの成熟を阻害した。このハエの網膜懸濁液に、抗オプシン抗体で被覆した磁気ビーズを加えてインキュベートし、ビーズに吸着した膜を回収した。得られた膜画分を、抗オプシン抗体を用いたイムノブロッティングにより解析した結果、未成熟オプシンを含む膜が回収されていることが確認された。今後、これらの輸送小胞に含まれる蛋白質の解析を進める予定である。更に、より生化学的な取扱いが容易である甲殻類について、視細胞の基本的な構造と、昼夜変化について観察を行った結果、特定の光条件下で多量の多胞体の生成が見られ、ロドプシン輸送の研究材料として期待できることが分かった。
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