研究課題/領域番号 |
14550006
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松本 俊 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00020503)
|
研究分担者 |
鍋谷 暢一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30283196)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 磁性半導体 / 超格子 / 量子井戸 / 量子細線 / 励起子 / フォトルミネセンス / ゼーマン効果 / 微傾斜基板 / 磁気フォトルミネセンス / 格子歪み / 磁気反射 |
研究概要 |
低次元配列した磁性原子集団と半導体キャリアの相互作用を調べるために、ZnSe/ZnCdSe/ZnSe単一量子井戸構造の井戸層にZnMnSe細線を埋め込んだ試料を作製し、磁気光学特性を測定した。 まず、200nm厚のZnMnSe単層エピタキシャル結晶の最適MBE成長条件を確立し、いろいろなMn組成の試料を作製した。ヘテロエピタキシャル層の格子歪みをX線回折測定で詳しく測定し、歪みによる重い正孔帯と軽い正孔帯の分離量、バンドギャップの変化量を調べた。磁気光学測定でゼーマン分裂した伝導帯と価電子帯の間の4種類の遷移を観測した。X線回折測定から見積もった重い正孔帯と軽い正孔帯の分離量は磁気光学測定で求めた分離量とよく一致した。ヘテロエピタキシャルZnMnSeの特性を考察するときには格子歪量の考慮が重要であることがわかった。 次に、井戸層の厚みを変えた一連のZnCdSe/ZnMnSe超格子を作製し、井戸層局在励起子の遷移エネルギーの井戸幅および印加磁界依存性を調べクローニッヒ-ペニーモデルによる計算値と比較した。障壁層のZnMnSeの伝導帯底と価電子帯頂上のエネルギーが外部磁界によってゼーマンシフトすると考えて局在励起子エネルギーの磁気シフト量を計算した。10〜40nm程度の厚みの低次元ZnMnSe結晶の実効Mn濃度、ZnCdSe/ZnMnSeヘテロ界面でのMnの拡散が局在励起子の磁気シフトに及ぼす影響を考察した。 最後に、ZnSe/ZnCdSe/ZnSe単一量子井戸構造の井戸層にZnMnSe細線を埋め込んだ試料を作製し、磁性原子の1次元配列と励起子の相互作用について調べた。磁界をZnMnSe細線に平行と垂直に印加して井戸層局在励起子のゼーマンシフトを測定し、垂直印加の方がシフトが大きいことを観測した。磁性細線と励起子の相互作用の異方性を確認したが、低次元配列磁性原子と低次元励起子の相互作用を詳しく調べるためには、今後さらにいろいろな構造の試料を設計製作する必要がある。
|