研究課題/領域番号 |
14550009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平本 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20208854)
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研究分担者 |
横山 正明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029281)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 光電流増倍現象 / 分子袋小路 / 分子結晶 / 分子ステップ / キンク構造 / 有機 / 金属界面 / 構造トラップ / エピタキシャル成長 / 高速応答増倍デバイス / 構造ストラップ / エピ成長 |
研究概要 |
研究代表者らは、有機/金属界面に存在する分子サイズの行き止まり構造(構造トラップ)への光生成ホールの蓄積によって、界面に電界が集中し、電極からのトンネリングによる電子注入が誘起されるために起こる10万倍を越える光電流増倍現象を発見した。この光電流増倍現象をベースとした研究テーマを、平成14,15年度に文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(2)に採択していただいた。 本研究において、得られた成果は次の3つに要約できる。 (1)行き止まり構造の実体が有機結晶表面に存在する分子ステップ(分子袋小路)であることを説明した。 (2)その結果に基づき、分子袋小路構造の制御によって増倍特性を自由にコントロールできた。 (3)高速応答増倍デバイスの作製に成功した。 これらの成果について、少し詳しく述べる。 まず、分子結晶を用いて分子ステップ構造の制御技術を確立した。単結晶作製条件によって、ステップを高濃度で持つ単結晶から、全くステップを持たない分子レベルで平坦な表面を持つ単結晶まで作製できた。ステップのない単結晶は増倍を示さず、増倍が分子袋小路によって起こっていることを決定的に証明できた。さらに、トラップサイト(ステップ中のキンク構造)の濃度が増えれば増倍率が急激に増大するという定量的な関係を見出した。次の段階として、分子レベルで平坦な有機単結晶基板に同一の有機分子を基板加熱下エピ成長させてステップ構造を意図的に形成することで、増倍を自由自在に発現させることに成功した。これは分子結晶表面ナノ構造のコントロールを通じた有機デバイス特性の自在な制御の可能性を示した成果である。最終段階として、この成果に基づき、分子結晶を用いた高速応答増倍デバイスを作製した。また、共蒸着膜を用いた数msオーダーの高速応答増倍デバイスの作製にも成功し、光電流増倍現象の増幅型光センシングデバイスへの応用に目処をつけた。
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