研究概要 |
ホモジニアス配札TN配向及びホメオトロビック配向のGHモードの蛍光液晶素子において、備光UV光照射時の偏光発光,すなわちI_<VV>,I_<VH>,I_<HV>,I_<HH>の各強度の電気光学特性を明かとした。さらに、蛍光増感効果を利用した場合の特性と比較し、蛍光液晶ディスプレイとしてのコントラスト比,発光輝度および急峻性の改善について検討を行った。その結果、コントラストはホメオトロビック配向時に最も高くなることがわかった。これは、I_<HH>の蛍光強度が、高電圧印加時のI_<VV>やI_<VH>よりも低くなることによるものであることが明らかとなった。さらに、TN配向のセルでは蛍光の偏光面の旋光性が電圧印加で急速に失われることにより、電気光学特性の急峻度が高くなること、ホメオトロピック配向セルと比較しコントラストがわずかに大きくなることがわかった。 さらに、数色の蛍光色素を混合することにより、白色蛍光が得られる蛍光液晶セルを実現することが出来た。すなわち、青+黄色蛍光、青+緑+赤蛍光の混合により白色蛍光を得た.各種蛍光色素の混合比は、短波長蛍光剤から長波長蛍光剤へのエネルギー移動を考慮する必要があり、液晶溶媒との混合割合とも強く依存する。すなわち、適切な白色蛍光を得るためには、3元、または4元の混合割合の最適化が必要となった。今回の研究において、それらの混合比を明らかにするとともに、白色蛍光強度の電圧印加による制御が可能であることを明らかとした。ホメオトロピック配向セルでは、電圧を印加した画素のみ白く発光する、いわゆるホワイトオンブラック表示を、ホモジニアス配向セルでは、電圧を印加した画素が黒表示となるブラックオンホワイト表示を得た。
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