研究概要 |
次世代の低コスト・高性能ITハードウエアコアを立ち上げること目的として,3-Dアーキテクチャからなる集積化光インタコネクト・スイッチングシステム「3-D Stacked OE System LSI/3D-MOSS」を考案し,アーキテクチャ設計・性能予測,および必要なコア技術の提案・実証を行い,下記の結果を得た. 1.1024x1024スイッチング用3D-MOSSの挿入損失は層数4-64で最小となる.16層のとき,面積は〜1cm^2で平面構造の1/36倍,スイッチングレートは2x10^5l/sでMEMSの1000倍,挿入損失は〜30dBと予想される.3-Dアーキテクチャにより,著しい小型・高性能化が期待できることを示した. 2.省資源デバイス集積化プロセスとして,複数種類の薄膜デバイスをall-photolithographicに一括集積化するPL-Pack with SORTを適用することにより,半導体消費量が1/10-1/1000に節減でき,材料コスト・アセンブリコストの低減が期待できる.LA-SORTを考案し,プロセスを実証した. 3.3-DアーキテクチャのプラットフォームとなるSurface-Normal Mirror付き光導波路フィルムの一括複製プロセスとしてBuilt-in Mask法を提案した.任意方向のMirrorを高密度に形成した光導波路フィルムが量産できる.側面が垂直に切り立ったマルチモード光導波路コア,幅4μmの微細コア,および45°傾斜コア端面からなる偏向角度90°のSurface-Normal Mirrorのコピー作製に成功した. 4.Optical Z-Connectionの低コスト形成法として,縦型導波路にSOLNETを適用することを提案した.1024x1024 3D-MOSSモデルのBPMシミュレーションから,SOLNET導入により,位置ずれ25%の場合においても,位置ずれ無しの場合の挿入損失に抑えられることを示した.シングルモード光ファイバを用いた実験から,SOLNETは,Butt Jointに比べて結合効率が高くトレランスが広いこと,したがってOptical Z-Connection用の形成法として有効であることを実証した. 当該研究により3-D集積化光インタコネクト・スイッチングシステム向けコア技術開発に成功した.今後引き続き,半導体研究グループとの連携や有機デバイスの導入によりLSI間・LSI内光配線,大容量高速光スイッチングの実現を図っていく.
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