研究概要 |
最新超複合材料の設計や解析に関する4つの分野の研究をおこなった。 I 三相複合材料の相聞特性の推定:有効特性が四相複合球モデルを用いて正確に評価できること,さらに,より簡略化したモデルである三相複合球モデルを2回適用する方法を提案し,その方法によっても,その有効特性は厳密に評価可能であることを明らかにした.内在物,母材,複合物全体の特性が既知であれば,分布図から相間の弾性特性が推定可能となる. II 予荷重を受けた不完全結合非圧縮層状複合材料における波動分散特性:予荷重を受けたシンメトリー層状複合材料中を伝播する調和波の特性について検討した。波数の両極値において波動分散曲線を解析し求めた。 III くさび型異方性二層複合材料の特異応力場:任意角度のくさび形状を有する異方性二層複合材料について、表面力が作用しない境界条件下での特異応力場に対する、不完全結合境界面の影響について検討した。様々な不完全結合境界条件下に対して、特異性の次数に応じた特性方程式を導出した。 IV 複合材料の位相最適化 1.座屈発生規準を考慮した周期的微視構造を有する複合材料のトポロジー最適化:複合材料の微視構造の設計について,均質化問題として捉え,その固有値,最適化,局所的な座屈モードを着眼点として検討した.最適な材料分布の設計のため,2つの異なる定式化で等価ひずみエネルギー密度の重みつき和の最小化による定式化を提案した. 2.均質化法を用いた複合材料の微視構造最適化:2つの異なる材料から構成される複合材料について,与えられた体積力条件下で最大せん断弾性係数を発揮する最適な微視構造設計を行った.その結果,幾つかの異なった単位セルの微視構造を仮定し最適化計算を実施し,最大せん断弾性係数を有する微視構造としては,幾つかの異なった構造と成りえることを明らかにした.
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