研究課題/領域番号 |
14550090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
三浦 精 崇城大学, 工学部, 教授 (00066169)
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研究分担者 |
小野 長門 崇城大学, 工学部, 助教授 (20258643)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 超塑性 / 鍛造加工 / Cu-Zn-Sn合金 / 結晶粒微細化 / 形状記憶効果 / 耐腐食性 / 異相界面すべり |
研究概要 |
高速・低温超塑性鍛造のできる新銅系合金の開発と形状記憶の付与について研究を行った結果は以下の通りである。 (1)低温高速超塑性材料の開発 銅合金をベースとして複雑形状・高精度・Pbレス・低コスト等の要件を満足させるためには、下記が不可欠であった。 (1)800K以下で超塑性が発現すること。廉価な熱間鍛造鋼「SKD61等」が使用可能。(2)高速鍛造可能であること。従来鍛造と同等レベルの高生産性が必要。(3)黄銅材料の現行生産ラインで製造可能であること。 以上を実現するため、基本成分を「Cu:59%、Sn:3%、Pb<0.01%、Zn:残部」として、Sn添加で析出する高硬度γ相を利用した「α+β+γ」3相組織を材料設計した。 (1)Cu・Sn・Zn成分制御による高温鍛造温度「800K以下」で各相の比の適正化 (2)低温押し出しによる結晶粒微細化「15μm以下」 この結果、目標である800K以下での高延性を得ることができた。これはα・β・γ各相間での異相界面すべり発生によると考えており、初期ひずみ速度0.9sec^<-1>という実用レベルの高速で高延性が得られた。 (2)恒温密閉鍛造の概要 開発材を最大限に活用するために、上下だけでなく自由方向から加工できる油圧マルチシリンダプレスを用いた恒温密閉鍛造設備・技術を開発した。 (3)溶体化処理による高強度化 Sn添加EESメタルを溶体化処理することにより、SUS304に匹敵する高強度と高い延性を得ることができた。さら種々の熱処理パターンにより機械的特性を制御することも可能となり、銅合金適用範囲の拡大が期待できる。 (4)形状記憶能の付与 本開発材をβ相近くの温度1103Kより焼き入れベーター相からβ'マルテンサイト相をうることにより77Kで4%引張後最大約2%の形状記憶回復量を示した。常温付近で形状記憶能を付与することにより締結合金として使用することが出来る。 (5)異相拡散対を用いた界面すべりに関する研究 CuZnSn合金の各異相界面(α/β)、(α/γ)、(β/γ)に着目し、異相拡散対を用いてせん断クリープ試験を行い(α/γ)異相界面すべりの活性化エネルギーは約130kJ/mol、(α/混合相)、(β/γ)のそれは約150kJ/mol、160kJ/molと見積もられた。
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