研究概要 |
半導体露光装置の高精度化に伴い,短波長化が進んでいる.ここは露光時における光源の波長が描画する分解能に直接的に影響を及ぼす.そのため光源の短波長化は現在,次々世代には短波長化が進み157nmの真空紫外になると考えられている.この波長領域では蛍石など可視光とは異なる特殊な光学系を必要とする.本研究は真空紫外領域,特に,157nm用における超精密光学部品の評価システムの構築を目的として,真空紫外による複屈折分布計測システムを開発した. 昨年度完成した蛍光ガラスを用いた真空紫外線検出カメラをもとに,真空紫外での複屈折評価システムを確立した.ここでは新たに真空紫外画像検出器を用いた複屈折分布計測のためのミュラーマトリックス偏光計を開発した.偏光計は光源に波長157nmのF2レーザを用いて,2枚の回転偏光素子および回転四分の一波長板によってサンプルのミュラーマトリックスを検出する.解析は位相板を回転させることによって60回の光強度のサンプリングをおこなう.ミュラーマトリックスを計測することから複屈折のみならず,二色性や円二色性,偏光解消をも求めることができた.以上のシステム化を実際に装置化,ソフトウエアの構築し,最終目標である真空紫外用光学素子の複屈折分布をミュラーマトリックスから計測を試みた.実際に蛍石のミュラーマトリックス計測を行い,ここから複屈折を求めた.回転検光子法で求めた結果とよく一致した結果が得られ,本手法の有効性が示された.
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