| 研究概要 |
1.トリポード等速継手とツェッパ等速継手を一対とする乗用車の前輪駆動の等速継手系の入力軸の回転角と出力軸の回転角の差(回転角誤差)および動力伝達軸の直交2方向の変位および軸方向の変位を,トリポード等速継手の軸交差角αおよびツェッパ等速継手の軸交差角βをいろいろに設定して測定し,次のことを明らかにした.
(1)等速継手系は1回転中に2π周期成分,2π/6周期成分の回転角誤差をもつ.この回転角誤差の振幅は軸交差角βが大きくなるに従って大きくなるが,軸交差角αの変化にはあまり影響を受けない.
(2)動力伝達軸は軸交差角αが小さいときは1回転中に1回転,αが大きくなると1回転中に3回転の振れ回り運動を行う.
(3)動力伝達軸は軸交差角αが小さく,軸交差角βが小さい場合は軸方向に1回転中に1往復動,αが小さくβが大きいと1回転中に6往復動し,αが大きくなると1回転中に3往復動する.
2.トリポード等速継手の構成部品の相対運動を使用状況および加工誤差等を考慮して検討するために,この機構の空間リンク機構としての自由度を解析し,入力軸,出力軸とフレームの相対位置,トリポードの球形先端と円筒ローラ内筒のピッチ半径および三つの案内溝の分割角を独立に設定できるようにしたモデル化した.さらに,相対運動を厳密にシミュレートする解析ソフトを構築した.
3.トリポード等速継手の案内溝法線力,ハウジングスラスト力などを厳密にシミュレートする解析ソフトを構築した.そして,出力角誤差やハウジングスラスト力などの特徴および軸交差角,動力伝達軸の長さによるそれらの振幅の変化特性を明らかにした.
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