研究概要 |
1.管フランジの最適なボルト締付け手順について "弾性相互作用係数法"を三次元有限要素法に組み込むことにより,管フランジの締め付けに関して,任意の順序で締め付けた場合の軸力のばらつきと最終的な軸力が一様となる締め付け手順を精度よく計算できる解析手法を確立した. 2.ソフトガスケットを使用した管フランジの力学的特性 石綿ジョイントシートの圧縮試験結果を有限要素解析に組み込むことにより,最適なボルト締め付け手順,外力を受けた場合の力学的挙動,シール特性を体系的に評価した. 3.管フランジ締結体の開放過程における力学的特性の解明 開放過程における管フランジ,ガスケット,締付けボルトの力学挙動を三次元有限要素法により解析し,ボルト軸力の再配分と面圧変化を体系的に評価した. 4.ロバストな管フランジのボルト締め付け手順の提案 90度離れた4本のボルトを予め規定の軸力で締付け,その後他のボルトを一方向に締め付ける手順が実用的に有効である. 5.締め付け力不足のボルトが管フランジのシール性能に及ぼす影響 20インチの程度の管フランジでは,ボルトが2本欠落すると初期軸力の1.6倍を越える軸力が発生する. 6.シール性能の観点から見たボルト軸力のばらつきとガスケット座面面圧の関係 トルク法に起因するボルト軸力のばらつきは,ボルトの逐次締め付けにより発生するばらつきよりもはるかに小さい. 7.数値解析を基本としたシール性能の評価方法の確立 ガスケットからの漏れ量がガスケット外縁部の最大圧縮応力を用いて推定できることを示した. 以上の研究の成果の一部は,2004年度に日本高圧力技術協会から<フランジ継手締付け指針Z103TR-2004>として公表されている.
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