研究概要 |
1)各種のロール研磨方法とロール硫磨粗さを組み合わせ,ステンレス鋼SUS430の冷間圧延における高鏡面化技術として,高光沢性ステンレス鋼板(スーパーブライト材,光沢度950〜960,表面粗さ0.05〜0.03μmRa)の冷間圧延方法を見い出した.今後は,潤滑油の粘度や圧延条件の選定等の実験解析をして,高光沢性ステンレス鋼板の最適冷間圧延条件を検討する必要がある. 2)冷間圧延におけるステンレス鋼板の表層ナノ変形(アスペリティ変形による鏡面化)を支配する要因を,表面粗さ約0.07μmRa以上の範囲において明らかにした.今後は,表面粗さ0.07μmRa以下の範囲において表層ナノ変形を支配する要因や,高光沢性に影響を及ぼす要因を解明する必要がある. 3)簡易テンソル化方法によって,異方性材料のvon Mises型構成式を導出した.この導出した式を単軸引張り試験の実験と数値解析によって検証した.今後は,この構成式を冷間圧延の材料歪数値解析モデル(公表済み)に適用して,冷間圧延鋼板の表層変形の数値解析が必要である. 4)これらの研究成果は,日本機械学会2002,2003年度年次大会講演で発表し,更に2004年度年次大会講演でも発表予定である.それの内の一報は既に日本機械学会論文集に投稿して掲載が決定されている(平成16年2月,掲載号数は3月3日時点では未連絡).また,その続報は英文投稿の執筆が完了した段階であり,逐次論文投稿の予定である.
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