| 研究概要 |
1.エアロトレインのサイド翼と主翼との交叉部における流れの強い干渉を,フィレット(整形覆)を取り付けることによって緩和し,エアロトレインの空力特性を向上させることを目的として風洞実験と数値計算を行い,次のことを明らかにした.
(1)サイド翼と主翼との交叉部に取り付けたフィレットは1両翼面上に発達する境界層の干渉による大規模な剥離領域の形成を防き,揚力を増し,抗力を減じて翼性能を大幅に向上させる.
(2)揚力に関しては,フィレットの効果と地面効果を分離して評価することができる.
(3)フィレットの最適形状は,翼の最大厚さの点から下流の,翼交叉部に近い区域における、流路断面樟の増大を,流れの剥離が生じないように抑えた形状である.
2.小型軸流ファンの性能向上を目的として,性能試験用のダブルチャンバー式小型風洞を設計・製作し,それを用いてファンの性能改善実験を行い,次の結果を得た.
(1)吸込側にベルマウスを取り付けると,ファンに流入する流れの状態が改善され,効率の大幅な上昇が得られる.
(2)羽根車下流に静翼を取り付けると,若干の性能向上が見られる.
3.円柱にそれより直径の小さい円柱を近接して設置した場合の,主円柱の流体力学的特陛に及ぼす小円柱の影響を,圧力分布の測定とスモークワイヤ法による流れの可視化によって実験的に解明した.特に,主円柱周りの境界層および後流の挙動に及ぼす影響を詳しく調べた.
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