研究概要 |
(1)種々の二成分及び三成分混合液について,核沸謄熱伝達係数の測定を行った.測定の結果,混合液の熱伝達係数は低沸点成分の濃度の増加とともに各構成純成分から予測される理想状態の熱伝達係数よりは低下することが分かった.この熱伝達係数の低下はボイリングレンジと関係づけられ,主パラメータとした整理式が開発された.この整理式は二成分あるいは三成分混合液の測定データを±25%で再現できる. (2)7種類の二成分混合液について限界熱流束に関する測定を行った.混合液の限界熱流束は低沸点成分の濃度増加に伴い,各構成純成分の内挿値である理想状態の限界熱流束値より増加する混合液もあり,減少する混合液もある.ポジティブ混合液は限界熱流束を増加させ,ネガティブ混合液は減少させる.このような限界熱流束の挙動は合体気泡と伝熱面の間の薄い液膜のマランゴニ流れと関係づけられた.限界熱流束の機構を明らかにするため無次元マランゴニ数を導入した実験整理式を提案し,十分な成果を得た.
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