研究課題/領域番号 |
14550200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 康一 東京理科大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (10089378)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | サブクール流動沸騰 / 流路内流れ / 遷移沸騰 / 気泡微細化沸騰 / 高熱流束 / 気液交換機構 / 冷却デバイス / 高負荷電子デバイス / 水平矩形管流路 / 水平円管流路 / 超高熱流束除熱 / 気泡崩壊 / 周期的MEB / ミニチャンネル / 高サブクール度 / 管内流速 / 固液接触回数 / サブクール沸騰 / 流路内流動沸騰 / 気泡挙動 / キャビテイション / 蒸気膜 / ドライアウト |
研究概要 |
大きくサブクールされた液の沸騰では、遷移沸騰領域において伝熱面上に形成された合体気泡から無数の微細気泡を放出しながら、熱流束が通常の限界熱流束(CHF ; Critical Heat Flux)を超えて増加する現象が見られる。この沸騰形態は、気泡微細化沸騰と呼ばれ英語の頭文字をとってMEB (Micro-bubbble Emission Boiling)と呼ばれている。MEBは、サブクール流動沸騰において顕著に発生し、水平矩形管流路(高さ17mm、幅12mm)の底面中央に設置した10mmx10mmの伝熱面の水の沸騰では、最大10MW/m^2の高い熱流束を得ている。伝熱面上の気泡挙動及び管内圧力変動の観察結果から、MEBは穏やかなものと激しいものに種類に大別され、激しいMEBの中には、周期性のあるMEBが観察された。 周期的MEBでは、気泡の崩壊、液の供給、気泡の発生及び生長の一連の気泡挙動が周期的に繰り返される沸騰形態であって、管内圧力変動も周期性のある圧力波形を示している。周期的MEBの熱流束は、液のサブクール度、管内平均流速に係わらず、圧力変動の周波数に比例してほぼ直線的に増加する。このことから、圧力変動の周波数は1秒間に伝熱面に供給される液の回数あるいは気液交換回数とみることができ、MEBのメカニズムの一つと考えることができる。 直径が2.5mm、5mm、10mm及び16mmの水平円管流路について水の気泡微細化沸騰について調べた。銅の円柱加熱ブロックの中心の円流路を円管流路の一部としその長さは10mmである。円管流路にもMEBは発生した。熱流束は、管内流速の増加と共に通常の限界熱流束より大きくなり、例えば、直径10mmの流路で,サブクール度30Kの場合、0.5m/sで5MW/m^2、1.0m/sで6MW/m^2、1.5m/sで9MW/m^2、2.0m/sで10MW/m^2も増加した。MEBにとって、管内流速はサブクール度と同様重要な要素である。周期的MEBも矩形管と同様に発生し、熱流束はサブクール度、管直径、流速に係わらず管内圧力変動の周波数にほぼ直線的に増加した。 本研究で得られた結果は、MEBの発生機構の解明と高負荷電子素子の超高熱流束冷却技術の開発に大きな知見を与えるものである。
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