研究課題/領域番号 |
14550227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械力学・制御
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
綾部 隆 久留米工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (50127958)
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研究分担者 |
近藤 孝広 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 振動 / 非線形振動 / 自己同期 / クーロン摩擦 / 非線形振動解析 / シューティング法 / 振動利用 / カオス / シューテイング法 |
研究概要 |
乾燥床上に置かれた2自由度振動系の各質量部にDCモータで駆動された回転おもりを搭載し、2個のDCモータに加える電圧を接近させると、2個の回転おもりが自動的に約位相差πで同期回転し始め、振動系は推進する。これは非線形力学系に特有の自己同期現象によるものである。 昨年度は、この自己同期現象の発生様相や振動系の推進性能を調べるために、自律系の定常周期解を求めるシューティング法を改良し、クーロン摩擦力が作用する場合の自己同期解を求めた。ところで,乾燥床上を振動系が推進する場合には質量部・床間は常にslip状態とは限らず、stick状態も発生していると考えられる。そこで、本年度は、このstick-slip現象が発生する場合の自己同期解(加速度に不連続性が発生するだけでなく、slip状態とstick状態で運動方程式が違うという難しい問題を含んでいる)を求めることができるようにシューティング法を改良し、より実際に則した理論解析を行った。また、解析結果を基に実験装置を設計製作し、実際に装置が推進することを確認した。実験では、ベルトコンベア上で実験装置を推進させておもりの位相関係や振動系の推進性能を動画像解析装置によって測定し、理論解析結果との定量的比較を行った。さらに、この推進モデルの応用を模索するため、質量部に電磁石を搭載して磁性体床との吸引力を与えたときに振動系が垂直壁を登ったり天井を移動しないか、数値解析によってその可能性を調べた。その結果、以下のことがわかった。 (1)いろいろなタイプの自己同期によって振動系は推進するが、2個の回転おもりが同一方向に位相差π前後で同期回転する自己同期が最も安定しており、スムーズな推進が得られる。(2)動摩擦係数が小さいほど、推進速度が大きくなる。(3)パラメータ条件によってはstickが発生する方が推進速度が大きい。(4)モータ電圧に推進性能が最大となる最適値が存在する。(5)理論解析結果と実験結果は定量的に良く一致しており、理論解析の有効性が確認された。
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