研究概要 |
本研究は,部品のリユース・リサイクルを研究対象とし,部品のライフサイクル最大化を実現するための高度自動化検査システム技術および関連する組立システム技術の確立を目指し,以下に示す結果を得た. (1)使用済み部品の表面品質の検査を目的として,高度自動化検査システムの機構系,制御系,計測系などを設計製作した.システムの性能評価では,めっき厚やめっき種類の異なる試料を用いて,表面の傷および摩耗状態の画像処理による評価手法を検討し,本システムによる傷や摩耗の評価は目視評価と同等の評価精度が得られることを確認した. (2)使用済み部品のライフサイクルを最大化するため,遺伝的アルゴリズムによる部品のマッチング手法を検討し,従来の方式と比較してその有効性を評価した. (3)使用済み部品を再利用する生産システムの3Dグラフィックスシミュレータを開発し,Particle Swarm Optimizationによる設備レイアウト最適化方式やワーク搬送系のシステム性能を評価した.シミュレーション結果から,再構成可能型生産設備でシステムを構成して,迅速な生産環境を構築する方式を明らかにした. (4)多種類の使用済み部品の再使用最大化を目的として,再構成可能型搬送システムを検討した.同一仕様の搬送ユニットをロボットハンドによって自動再配置し,各種の使用済み部品に応じて搬送経路変更が迅速かつ柔軟に実現可能な方式として,固有の搬送特性を有する搬送プレートを圧電アクチュエータで加振する搬送ユニットを考案した.搬送プレートの構成として,平板型と光造形ピン配列型の二種類を試作し,実験によって搬送特性を評価した.実験結果から,光造形ピン配列型が有効であることを明らかにした.
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