研究概要 |
モジュール型移動ロボットのフォルトトレラントな車両安定化協調制御に関する研究によって得られた成果は以下のようにまとめられる. (1)分散型情報統合に基づくデッドレコニングの設計:ロボットの傾斜地等の3次元環境下で走行制御する際に不可欠な車輪ユニットの速度,車体の速度,姿勢などの状態を推定するモジュール性,拡張性の高いPlug-and-Play型の状態推定システムを情報フィルタ,Covariance Intersection法,Unscented transformation法を基礎に構築した. (2)車体傾斜機構を有するロボットの走行制御系の設計:車輪ユニットが備える車体傾斜機構の制御により重心変化によるロボットや搭載物の転倒を防止しながら傾斜地等の3次元環境下での走行を可能とする「車体安定化制御系」,「車体昇降制御系」,「経路追従制御系」とからなる走行制御系を設計した. (3)マルチモデル法に基づく内界センサの故障診断系の設計:モジュール型ロボットの故障診断系を確立する基礎研究として,ロボットの内界センサ系のハード/ノイズ故障やスケール故障を診断するセンサ故障診断系をマルチモデル法とカルマンフィルタを基礎に設計した. (4)フォルトトレラントなデッドレコニング系の設計:センサ故障診断系と分散状態推定系を統合して,内界センサ系の一部故障に対しても自己位置推定を可能とするモジュール性や耐故障性の高いplug-and-play型のフォルトトレラント・デッドレコニング系を構築した. (5)フォルトトレラントな走行制御系の設計:センサとアクチュエータのハード故障に対応可能なモデルベースト故障診断系を構築するとともに,車輪ユニットの制御モードを故障診断系からの出力に応じて切替えることで,安全に走行できるフォルトトレラントな走行制御系を設計した.
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