研究課題/領域番号 |
14550293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10251589)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ブロック共重合体 / 液晶 / カルバゾール / ミクロ相分離 / 電荷移動錯体 / チオキサンテン / フルオレン / フォトリフラクティブ |
研究概要 |
ホログラム材料として応用が期待されているフォトリフラクティブ材料の最大の欠点は素子駆動時の印加電圧の高さである。本研究では、ミクロ相分離構造をとるブロック共重合体の高機能化を行い、無電場もしくは低電場化において駆動可能なフォトリフラクティブ素子を提供する材料開発を行っている。正孔輸送性のカルバゾール誘導体を含むブロックと電気光学的に活性なアニリン誘導体またはメソーゲンを含むブロック共重合体を合成し、熱分析の結果ミクロ相分離構造を確認した。ジシアノビニルアニリンを電気光学活性部位として含むポリマーはゼロ電場で非対称なエネルギー移動を示した。複屈折性の大きくガラス転移温度が低いメソーゲンを用いた場合、大きなフォトリフラクティブ特性が得られたが、印加電場は高かった。以上のことから低電圧駆動には電荷移動錯体の形成とガラス転移温度が重要な役割を果たしていることが、示唆されたため種々の低分子の電荷移動錯体ガラスを合成し、フォトリフラクティブ特性を調べた。アクセプターとしてはチオキサンテンやフルオレン誘導体を含み、ドナーとしてはアニリン誘導体を含むコハク酸エステルである。その結果、高いガラス転移温度を持つ材料においてゼロ電場において非対称なエネルギー移動が観察できた。以上のことからゼロ電場駆動には電荷移動錯体の形成、高いガラス転移温度が必要であることがわかった。これまで高い回折効率や利得係数を示す材料はガラス転移温度を室温付近に下げなければならないといわれてきたが、過度の運動性はキャリアの再分配にとって不利に働いていることが示唆された。ブロック共重合体、低分子電荷移動錯体ともに電場による配向操作は行っておらず、ここでの現象を合理的に説明するためには新しい概念を導入する必要がある。
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