研究課題/領域番号 |
14550296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
山本 あき勇 福井大学, 工学部, 教授 (90210517)
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研究分担者 |
橋本 明弘 福井大学, 工学部, 助教授 (10251985)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 窒化インジウム(InN) / ArFエキシマレーザ / アンモニア(NH_3) / 光分解反応 / 低温成長 / 選択成長 / MOCVD / 光化学反応 / アンモニア / エキシマレーザ / 光分解 / トリメチルインジウム(TMI) / エピタキシー |
研究概要 |
本研究は、アンモニア(NH_3)が波長200nm以下の紫外光に対して100-1000/cm・atmという大きな吸収係数を有することに着目して、ArFエキシマレーザ(波長193nm)を用いたInNのレーザ援用MOCVD成長技術の確立を図ることを目的として行われた。その結果、NH_3の光分解効果を用いることによって室温から650℃までの広い温度範囲で均一性に優れたInN膜が形成できることを明らかにし、従来困難とされていたInNのArFエキシマレーザ援用MOCVD成長を世界で初めて実現した。得られた主要な結果は以下の通りである。 (1)TMIのみの供給ではInの析出は起こらず、TMIとNH_3を同時供給することによってのみInNが成長する。このことはNH_3の光分解が主要因となってInNの合成反応が起こることを示している。TMIの光分解はほとんど起こらない。 (2)本方法でのNH_3使用量は従来の熱分解MOCVD法の1/50〜1/100であり、このような供給量でも金属Inの混入のない高品質InN薄膜が得られ、さらに、熱分解MOCVD法の2倍以上の成長速度(〜0.5μm/h)が実現できる。 (3)基板表面にレーザ光を垂直に照射するにより、レ-ザビームパターンに対応した選択的InN薄膜成長が可能である。 (4)基板窒化時にArFエキシマレーザをNH_3ガスに照射することにより比較的低温でも窒化が効率的に行える。 (5)NH_3供給量の増大とともにInN膜質が低下するという、通常の熱分解MOCVD法の場合とは逆の傾向がみられる。その原因はNH_3の分解によって生じた水素である可能性が高いことがわかった。水素の影響はNH_3の供給方向によってかなり低減できる。 (6)低温成長InN膜では酸素汚染による電気的・光学的特性の低下が著しいことがわかった。その改善のために、反応チャンバー内に持ち込まれる酸素、水分の除去をねらいとした反応チャンバーのベーキング効果を検討した。ベーキングによってInN膜中の残留キャリア濃度の低減、光吸収端エネルギーの低下などの改善効果が見られた。
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