研究課題
基盤研究(C)
本研究では、低加速の集束イオンビーム(FIB)を用いることにより、マスクレスで一筆書きのごとく超微細領域に化合物半導体結晶を超高真空下で形成し、その形成機構及び膜のn型、p型制御や選択成長膜の電子・光学的性質を明らかにすることを目的として研究を行った。まず、Snを微量添加したGa液体金属イオン源(LMIS)を、超高真空下で作製し、それを用いて、n型GaAsのマスクレス選択成長をすることにより、"その場n型不純物添加"の実験を行った。その結果、加速電圧が30eVにおいて、抵抗率が0.10Ω・cmのn型選択成長層を得ることに成功した。Hall測定よりキャリヤ濃度〜10^<17>cm^<-3>台であることが分かった。イオンの加速エネルギーを200eVまで、増加させたところ、抵抗率は増加しキャリヤ濃度は減少した。また、この成長層の光学特性をカソードルミネッセンスにより調べたところ、強いバンド端付近での発光が観察された。発光強度は、ドーピングしないサンプルにくらべて桁違いに強いものであった。更に、発光強度は、成長時に供給される砒素圧に強く依存することが分かった。次にP型不純物である、Be微量添加したGaLMISを用いて、GaAsへの選択ドーピングを実施した。その結果、抵抗率0.01Ω・cmという高濃度ドーピングが可能であることが分かった。また、Hall測定よりキャリヤ濃度〜10^<18>cm^<-3>台であることが判明した。また、n型GaAs基板上にp型GaAsを選択成長させ、電気的特性を調べたところ、pn接合ダイオードが形成できることが確認された。以上のことより、低加速FIBによるGaAsのマスクレス選択成長において、世界で初めてn型およびp型ドーピングが可能であり、マイクロデバイスに応用できることが明らかとなった。
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Journal of Crystal Growth (in print)
Japanese Journal of Applied Physics 43・6A
Japanese Journal of Applied Physics vol.43, No.6A
電子情報通信学会 信学技報 CPM2003-31
ページ: 87-91
Technical Report of IEICE.ED2003-32, CPM2003-31, SDM2003-32
110003175053
Journal of Crystal Growth 237-239
ページ: 1455-1459
Journal of Crystal Growth vol237-239