研究課題/領域番号 |
14550318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小林 禧夫 (2003) 埼玉大学, 工学部, 教授 (00008830)
馬 哲旺 (2002) 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40282909)
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研究分担者 |
小林 禧夫 埼玉大学, 工学部, 教授 (00008830)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 高温超電導体薄膜 / ミリ波フィルタ / 誘電体材料 / 表面抵抗 / 有極フィルタ / 誘電正接 |
研究概要 |
近年、小形低損失で急峻な周波数遮断特性を持つ超電導フィルタの研究が盛んに行われており、高温超電導(HTS)薄膜を用いたマイクロストリップ形帯域通過フィルタ(BPF)が数多く報告されている。一方、コプレーナ線路(CPW)構造を用いたフィルタは、HTS薄膜が基板の片面のみでよいため、両面にHTS薄膜を必要とするマイクロストリップ構造のものより低価格化が期待できる。 本研究は、ミリ波高温超電導フィルタの設計手法と評価技術の確立を目的として行われた。 平成14年度の研究において開発した空洞共振器法、遮断円筒導波管法および4モードを用いた1サファイア円柱共振器法を用いて、HTS薄膜用MgO基板の複素誘電率およびYBa_2Cu_3O_7 (YBCO)薄膜の表面抵抗のマイクロ波・ミリ波測定を行った。その結果、30GHz・70Kにおいて、MgO基板の誘電正接は2x10^<-6>以下と無視できるほど小さく、YBCO薄膜の表面抵抗は銅の場合の1/15程度であった。これらの材料を用いて構成される共振器およびフィルタはミリ波帯においても十分に低損失であることが期待できる。 そこで、この測定結果をもとに、CPW構造Hスロット共振器を提案し、ミリ波帯においても高Q値が得られることを計算により明らかにした。さらに、その応用としてHTS-CPW構造4段チェビシェフ特性BPFの設計を行い、低損失ミリ波HTSフィルタの設計手法を確立した。 また、飛び越し結合を持つフィルタの一般的な回路解析を行い、阻止域内に減衰極を生じさせるフィルタの新しい設計理論を提案した。導出した公式を用いて、飛び越し結合のリアクタンス素子値を容易に決定し、所望の周波数に減衰極を生じさせることができた。低域阻止域または高域阻止域に1つないし2つの減衰極、さらに低域及び高域阻止域にそれぞれ1つづつの減衰極を指定した周波数で持たせるフィルタの設計を行い、本理論の応用と有効性を示した。 これらの研究成果は、電子情報学会論文誌5編、同学会技術報告4編、同学会大会6編、国際会議3編、ワークショップ5編で発表している。
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