研究概要 |
光アシスト磁気記録実験装置構築とディスク表面電位解析により,高密度記録実現のための基礎研究を実施した.光アシスト磁気記録では,磁気ヘッドと光ヘッドを同時に設置する必要があり,またナノメートルオーダーでの位置あわせが必要になる.このための基礎実験を進めた.また、記録材料では光アシスト磁気記録に適した材料が必要であり,これを提案した.磁気記録では,磁気ヘッドと記録媒体間での静電気で磁気ヘッドを破壊することがあり,この基礎評価のための表面電位計測の基礎評価装置を試作した. 1)光アシスト磁気記録評価装置による基礎実験評価 光ディスク評価装置に磁気ヘッドを搭載するための装置設計,構築を行った.この装置に,潤滑剤塗布したテスト用ディスクを試作し,磁気ヘッドと光ヘッドの位置あわせ手法を確立して,基本的な光アシスト磁気記録実験を可能にした. 2)光アシスト記録材料の研究 光アシスト磁気記録媒体の一つとして,アモルファス磁性材料と磁気異方性の大きい磁性材料とを複合した記録材料を検討し,アモルファスTbFeCo膜に下地膜として配向性を制御し微粒子化したFePt高磁気異方性材料を用いて高保持力化を可能にした.これにより,光アシスト磁気記録材料として期待できる新規な材料を提案した. 3)表面電位計測システムの構築 表面電位計測のための探針機構を自作し,カンチレバーに働く静電力から表面電位を計測するシステムを構築した.本システムの空間分解能の基本特性評価,電位計測方式の検討を行い,基本性能を明らかにした。
|