研究課題/領域番号 |
14550337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
永沼 充 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70319086)
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研究分担者 |
中尾 正史 NTTフォトニクス研究所, フォトニクスデバイス研究部, 主幹研究員
高橋 清 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (10016313)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | フォトニック結晶 / オートクローニング法 / 2重干渉露光法 / 高分散ファイバー / フェムト秒パルス / スーパーコンティニューム光 / フォトニックバンドギャップ / 国際情報交換 / スーパーコンテイニューム光 / 2次元構造 / 半導体ピラー / チューニング技術 / レーザ発振 / ドライエッチングダメージ |
研究概要 |
(1)2次元ピラー構造の電子線照射による制御およびレーザ発振 GaAs/AlGaAs多層構造をドライエッチングすることにより2次元ピラー型のフォトニック結晶を作製した。この構造に電子線を照射すると、それまで規則配列していた格子点が移動し部分的にバンチングする。これを、電子線照射によるクーロン引力と斥力の釣り合いから解析した。その結果、直径0.3μm長さ1μm程度のピラーに充分に塑性変形を与えうることが明らかになった。 さらに、このような半導体ピラー構造でフォトニック結晶構造を反映したレーザ発振が可能であるか試みた。その結果、チタンサファイヤレーザを励起光源として、フォトニック結晶に照射しその入出力特性から100mW近傍に閾値を有するレーザー発振特性を確認した。さらに、その発振波長が、計算されたフォトニックバンドギャップの高エネルギー側エッジ近傍に有ることを示した。発振モードは2次元DFBモードであり、半導体(GaAs)の利得帯域とフォトニックバンドギャップの帯域がオーバーラップ領域での発振と結論付けた。 (2)半導体利得構造とフォトニック結晶の複合化。 半導体フォトニック結晶自体にチューニング機能を持たせたピラー構造は、空気/半導体の大きな屈折率差が利用できる点で有利であるが、光学利得の大きな犠牲を伴う。これを回避するために、誘電体系フォトニック結晶と半導体光学利得構造の複合化を試みた。半導体MQW活性層を光励起し、そのルミネッセンス光をエッジ(導波方向)および基板垂直方向から観測しフォトニック結晶の効果を検証した。 色素充填によりレーザ発振を確認しているアルミナホールアレイを基板としてSiO2/Si、SiO2/TiO2系3D-PhCをオートクローニング法により積層し光学的評価を行った。ピッチが200nm程度では3D-PhCがホール部分を埋めて積層されるので新しい光機能素子として期待できる。 (3)フォトニック結晶ファイバー(PhCF)を用いたスーパーコンティニューム(SC)光の発生 波長制御の観点から広帯域スペクトルを発生しこれから任意の波長を切り出すことを狙いとした。PhCFのクラッド部の不均一性に由来する擬似的微小コアに注目し、Tiサファイヤレーザ(810nm,<1ps)励起により広帯域SC光(450-1400nm)を得た。擬似的コアではゼロ分散波長が短波長化し結果的に大きな異常分散が得られるためである。変換効率が極めて高いため短尺PhCFでもSC光が得られ、9mm長で550-850nmのSC光を得た。ファイバーの保持限界である2mmでも観測され、世界最短長のPhCFによるSC光発生を実現した。さらに、石英系平面光波回路をフォトリソグラフィーにより加工し35μm長でも十分なSC光が得られることを確認し、光集積回路でSC光を発生し制御する新しいデバイスへの展開を示した。
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