研究概要 |
750keV程度の低エネルギーの電子線を半導体基板に照射すると、ある条件でその半導体基板に不純物が拡散する。この方法を電子ビームドーピングと呼んでいる。本研究では半導体基板としてSi,SiC,GaAs,ダイヤモンドを使用し、不純物としてZn,Si,B,Pの各原子の注入を試みた。ドーピングを行った基板はSIMS(2次イオン質量分析法)によって深さ方向の不純物分布を測定した。さらにSi基板についてはp n接合を試作し、GaAs基板については腑とルミネッセンス法により光学的特性を測定した。 GaAs/Zr//Zn/GaAs,GaAs/Si//S/GaAs,GaAs//Si//GaAs,Si//P//Si,Si//B_6Si//Si,Si//Ge//Siで表される3層構造の試料に750keVの照射エネルギーで電子線照射を行った。すべての半導体基板に不純物原子はドーピングされていた。SIMS測定の結果、表面近傍の不純物濃度は非常に高く、不純物拡散層の厚みは比較的薄いことが確認された。 ダイヤモンドおよびSiCへの不純物の拡散にも成功した。またn型SiへBを、p型SiへPをドーピングすることによって2種類のp n接合の作製にも成功した。フォトルミネッセンスのデータにも非常に興味深い結果が現れている。
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