研究概要 |
本研究は,フォトニックネットワークおける光ルータ用のAdd/Drop回路に新しい方法を提案し,その有用性を試作光回路により立証しようとするものである。明らかとなった研究成果の概要は次のとおりである。 1)研究の対象とした光Add/Drop回路は、周期的屈折率変動を持つ方向性結合器により構成され、特定波長のみをAdd/Dropする。今回、理論計算により,新しい構造のグレーティング形光結合器を明らかにした。 2)理論的に明らかとなった新構造のグレーティング結合器の試作を試みた。光ファイバ側面を研磨して、結合器を作成する方法を試みた。最終的には光結合器を作製し、特性確認するには至っていない。しかしながら、研磨条件の一部を明らかにすることができた。 理論的な研究にて明らかとした具体的な成果は以下のとおりである。 1.非対称グレーティング結合器ではevenモードとoddモードの100%結合が実現できること、 2.対称グレーティング結合器では、従来では知られていない新しい構成により結合率が90%以上に達する領域が存在すること、および 3.上記新構造では、結合長を短くできるため素子として有望であること、である。また、光ファイバ側面の研磨により光結合器を作製する取り組みでは、 1.光ファイバ側面研磨による結合器の作成では、研磨量の精密制御がむずかしい。さらに、製造精度を向上させる工夫と技術を考案する必要があること、および 2.機械研磨のよる研磨量の再現性を確保する検討を計画している、 などである。
|