当該研究期間では、時分割発光方式二次元バーコード検知システムの実用化に欠かせない高検知分解能化を図るための基礎技術についての研究を行った。その研究成果は以下の通りである。 1.開口マスク付きコリメータレンズ系の開発 10cm程度の広い検知範囲でのバーコード検知分解能を0.25mmに向上すべく、小型、低コストで高分解能な検知システムを実現しうる開口マスクを開発した。開口径3mmのマスクコリメータを用いて最小バー幅0.25mmの3ラインバーコードの検知実験を行い、検知範囲を従来の4cmから10cm以上に拡大しうることを礁認でき、開口マスクの有効性を明らかにした。 2.光学系の最適化による検知範囲拡大に関する検討 3つのLD毎に最適化したマスクを用いる複合マスクコリメータ構成が最も広い焦点深度を確保しうることを発見し、これにより12.5cm迄検知範囲を拡大しうることを明らかにした。 3.広角集光レンズの開発 検知システムの高信頼化を図るために、検知感度を向上しうる開口40mm、焦点距離28.5cmの短焦点広角集光レンズを開発した。この結果、14.2cmまで検知範囲を拡大できた。受光窓を幾何光学的に求める手法を考案して、このレンズによる検知範囲拡大要因を明らかにした。 4.広角集光レンズの有意性に関する長焦点広開口受光レンズ系との比較検討 広角集光レンズと同一開口を有する焦点距離50mmの長焦点広開口レンズを用いた受光レンズ系を試作して特性比較を行い、検知感度の劣化を生じない点で広角集光レンズが優れていることを明らかにした。
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