配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究では,論理情報を含むハイブリッドシステムに対して,well-posedness解析や安定性・可制御性解析,最適制御など,制御系設計のための基礎理論の構築を目指した.主な研究成果はつぎのとおりである. 1.モデリング:離散事象を,衝突などの不連続な物理現象によって生じる物理的離散事象と,コンピュータプログラムなどによって実現される論理的離散事象の2つのカテゴリに分け,特に論理的離散事象を記述するハイブリッドシステムモデルとして,サンプル値区分的アファインシステムモデルを提案した. 2.well-posedness解析,安定性解析,可制御性解析:区分的アファインシステムや線形相補性システムのWell-posednessの定義,それを解析するための基礎理論,およびwell-posedness条件を導出した.また,制御系設計における最も重要な安定性の解析手法として,システムの極に基づく新しいアプローチを展開し,区分的アファインシステムに対して,安定性の必要十分条件などを導出した.可制御解析に対しても確率的手法を提案し,これまで確定的な手法では解析できなかった大規模な区分的アファインシステムの可制御性解析に成功した. 3.最適制御:サンプル値区分的アファインシステムの最適制御問題の解法を示し,ハイブリッドコントローラの基本構造の一つの捕え方を提案した,この手法をCPUの高速・省電力化制御に適用し,同定実験により得たモデルを用いて,本手法の有効性を数値シミュレーションにより確認した.また,帰着される混合整数最適化問題に対する効率的な解法も提案した. 以上,本研究では,ハイブリッドシステムの制御系設計に対する基礎理論を構築し,整備してきた.今後は,本研究成果を踏まえて,ハイブリッドシステムの制御系設計の実用化に向けた研究を継続する予定である.
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