研究概要 |
河砂・海砂に替わる新しいコンクリート用骨材資源として,(1)鳥取県に広くかつ多量に分布する真砂土の有効利用,(2)鳥取港への輸入砂(中国砂)と陸砂ないしはフェロニッケルスラグ細骨材との混合使用,さらには砕砂微粉末あるいはフェロニッケルスラグ微粉末の添加による中国砂ないしは産業廃棄物の有効利用,(3)消却灰溶融スラグ細・粗骨材の有効利用,(4)ガラスカレットの有効利用,等の課題を分担し,新しい骨材資源の開発ないしは既存廃棄物の有効利用の方策を探り,併せて比較的低品質の骨材から低・中品質から高品質のコンクリートを製造する技術を開発をすることを目的として研究を実施した。その結果,(1)の課題に関しては,鳥取県内15箇所の産地から真砂土を採取し,その物理的性質を把握するための調査・試験を実施し,真砂土を等級分けし,高・中・低品質に分類した。つぎに,品質の異なる真砂土を用いてコンクリートを練混ぜ,真砂土の品質が配合設計やコンクリートのフレッシュおよび硬化後の緒性状に及ぼす影響を明らかにするとともに,真砂土を用いたコンクリートを生コンプラントで製造する技術を開発した。(2)の課題では,中国砂は粒度が単一であるために,砕砂ないしはフェロニッケルスラグ細骨材と混合し,さらに微粒分不足を解消するために砕砂微粉ないしはフェロニッケルスラグ微粉末を添加することによって通常の細骨材を用いた場合と同等のコンクリートが製造できることを確認した。(3)に課題については,溶融スラグの年間の品質変動調査を実施するとともに,溶融スラグの細骨材あるいは粗骨材を用いたコンクリートの配合設計,フッレッシュおよび硬化コンクリートの性状を普通コンクリートとの比較の上で検討した。また,(4)のガラスカレットに関しては,モルタルを作製し,ガラスの色や粒度が膨張に及ぼす影響を明らかにした。
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