配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
砂浜に開口する河口や潟湖入口には、沿岸漂砂が堆積して砂州が発達し、洪水の疎通障害や航行阻害を引き起こすため、開口部の適正な維持管理は重要課題の一つである。この課題解決ための基礎的知見として普遍的な地形平衡条件を求めることを本研究の目的とした。 開口部の地形変化を、沿岸漂砂の一部を捕捉する堆積作用と、河川流や潮汐流による除去作用で表現する土砂収支式を立て、地形の定常状態と2つの作用の平衡が等価であることから地形平衡条件を理論的に求めた。平衡状態の無次元開口幅は、2つの無次元パラメータφ_Rとφ_Tの関数で表される。これらのパラメータは堆積作用に対する、各々河川流および潮汐流の除去作用の相対量を表している。 この平衡条件を、インドネシアおよび日本の現地データを収集・解析することにより検証した。前者では、インド洋に面するジャワ島南海岸に開口するOpac, Serayu, Wawar, Tipar, Bogowontoの各河川を対象とし、後者では日本海および太平洋岸の代表的6つの一級河川を対象とし、河川流量、潮汐流量、波浪、河口部地形、底質粒径などのデータを集めて解析したものである。 また、潟湖入口に関してはアメリカ合衆国の太平洋岸、メキシコ湾岸、大西洋岸に存在するの多数の潟湖の現地データを収集解析し、従来経験的に知られていたタイダルプリズムと入口最狭断面積の関係式が、本平衡条件の特別な場合として経験定数を導入することなしに導かれることを明らかにした。 従来、地形平衡条件に関して、河口の問題と潟湖入口の問題は個別に扱われていたが、本平衡条件により、2つの無次元パラメータを用いて統一的に表現できることが示されたのである。
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