研究概要 |
海岸侵食対策工として用いられる工法に人工養浜工と呼ばれる工法がある。人工養浜工とは、他所からから砂を調達し、侵食海岸に投棄して砂浜を回復する工法である。人工養浜工で用いられる砂は、航路,河口,港内の浚渫した砂、あるいは沖合の海底を浚渫した砂を利用している例が多く,養浜された砂の粒径は0.2〜0.15ミリ程度の細砂が多い。砂浜が回復すれば,強風によって飛砂が発生する。飛砂は内陸側に侵入し、保安林・耕地の埋没、道路上に堆積し車両の走行阻害を惹き起こす。飛砂は緩傾斜堤やレクレーション施設内に堆積して景観を損ない、あるいは利用を阻害している例が各地に見られる。細砂の飛砂制御が必要である。しかし、細砂の飛砂現象についての知見は限られている。 以上の事実から本研究では次の三項目を目的としていた。 (1)細砂(中央粒径0.2〜0.1mm)の飛砂のメカニズムの解明 具体的には, i)飛砂量は河村公式あるいはバグノルド公式の適用可能性の検証、 ii)飛砂の鉛直分布は岩垣公式あるいは河村公式適用可能性の検証、 (2)高さ数メートル〜10メートルのフェンスを越える飛砂量の推定 (3)砂浜に隣接して設けられている公園などの小構造物の周辺に局所的に堆積する飛砂防止法の開発 本報告書には、研究項目(1)及び(2)に関する研究成果を収録してある。 研究項目(3)については、現在研究を続行中で公表された成果は無い。 研究成果は後日公表する。
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