研究課題/領域番号 |
14550539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
佐藤 邦明 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (10008881)
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研究分担者 |
高野 保英 近畿大学, 理工学部・土木工学科, 助手 (80330231)
和田 明 日本大学, 生産工学部・土木工学科, 教授 (00210972)
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40134332)
佐々木 孝 (株)アーク情報システム, 数理解析部, 担当部長
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 土壌汚染 / 揮発性有機塩素系化合物(VOC) / 多孔媒体 / SALSAモデル / 大気・土壌連成 |
研究概要 |
1.研究の目的:近年、トリクロロエチレン(TCE)などの揮発性有機塩素系化合物(VOC)の発ガン性が大きな社会的問題となっている。地下水中に漏洩した汚染物質の挙動は、多孔媒体中の移行として扱うが、いわゆる通気帯(不飽和帯)における揮発性ガスの移行拡散と(飽和)地下水中の分散を同時に考える必要がある。本研究では、大気・土壌連成システム(SALSAモデル)と高野らの研究をベースとして、土壌・地下水中の汚染物質の挙動を解析するシステムの構築とその実用化を目的としており、(1)大気・土壌中の熱、水分と汚染物質のカップリングモデルの構築、(2)地表面における境界条件のモデル化、(3)大気・土壌モデルと地下水との連成、(4)主要なパラメータの整備と感度分析、現地適用性検討の4つのフェーズで展開した。 2.研究の成果:佐藤らは、不飽和帯のVOC移行を数値解析により求め、気相・液相VOCの地中への移行が、日中の土壌・水分、熱特性に大きく依存し、降雨の浸透が下方への移行を促進させる結果を得た。高野らは、緑化屋上における土壌汚染物質の水質分析と微気象・水文観測による水分収支を検討して地表面過程のパラメータを整備した。佐藤、佐々木らは、VOC浸透の水理的メカニズム(液滴の重力沈降、フィンガリング)の実験的研究をもとに、移行の基礎式を導き、空隙中に拘束され残存するVOCの挙動を支配するパラメータを整備し感度解析を実施した。佐藤、浅枝、和田、佐々木らは、不飽和帯・飽和帯の一貫した移行解析を意図して、飽和帯におけるVOC移行モデルを構築した。これは、VOC液滴が空隙内に残留する過程をモデル化し、原液の移行を液滴の重力沈降とランダムウォークにより表現して、溶液移行の高精度差分スキームによる離散化と組み合わせたものである。さらに、TCE汚染現地に適用して手法の有効性を検証した。
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