研究概要 |
本研究課題では,現状のPETボトルリサイクルが環境負荷,コストの低減に繋がっているのか,また,どうすれば,ライフサイクルでのPETボトルリサイクルの環境負荷とコストを低減できるのか検討した.さらに,PETボトルリサイクルについて消費者ニーズに応じた再生商品の開発方向について検討した.得られた成果を以下に示す. (1)PETボトルのクローズドシステムを前提としたPETボトルリサイクルにおいて,環境負荷は,リサイクルを行うことにより低減できる.これは,リサイクルをしない場合,バージン材からのPETボトル製造時及び焼却時のCO_2排出量が非常に大きいためである. (2)コストは,PETボトルの回収率が高ければ,リサイクルすることによりコストを低減できるが,回収率が低ければ,高コストとなる.これは,リサイクルPETボトル製造よりもバージン材からPETボトルを製造する方が高コストになるためである. (3)そのため,PETボトルリサイクルシステムを低環境負荷,低コストにするためには,現状の収集方式で,回収率を高めることが重要である. (4)住民のリサイクルPETボトルとリユースPETボトルの受け入れ意思を考慮したPETボトルリサイクルの評価を行った結果,PETボトルの回収率が50%以下の場合,現在のバージン材PETボトルの評価が最も高く,50%より大きくなれば,リサイクルPETボトルの評価が最も高い. (5)PETボトルの再生商品に関して,住民のリサイクルPETボトルに対する受け入れ意思は高い. (6)また,その他の再生商品に関して,若い世代は,環境へのやさしさよりも価格を重視しており,年輩の世代は,価格よりも環境への優しさを重視している.これより,低価格であることは必要であるが,再生商品が対象とする年代の違いにより,環境への優しさがPRになる場合とならない場合があるため,再生商品開発には,この点も考慮するべきである. 以上により,本研究課題は,全て達成された.
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