研究課題/領域番号 |
14550581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松井 勇 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059982)
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研究分担者 |
永井 香織 大成建設(株), 技術研究所, 研究員
篠崎 幸代 日本大学, 生産工学部, 副手
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 助教授 (00230607)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 落書き / コンクリート / レーザ / 洗浄 / スプレー塗料 / YAGレーザ / 半導体レーザ / 打放しコンクリート / 除去 |
研究概要 |
本研究は、打放しコンクリートに画かれた落書きを、打放しコンクリート表面の風合いを損なわずに除去する方法として、レーザを用いた落書きの除去方法を提案することを目的としている。研究は、除去方法提案のための検討項目として、平成14年度は、(1)岡山県における落書き除去の実態調査、(2)水セメント比50%および60%のコンクリートにかいた落書きをYAGレーザおよび半導体レーザを用いて落書き除去に必要な照射条件の検討、(3)コンクリートの含水率の影響、(4)落書きの色の影響について検討した。 平成15年度は、(2)水セメント比の影響としてW/C30%および40%のコンクリートにかいた落書きをYAGレーザおよび半導体レーザを用いて落書き除去に必要な照射条件の検討、(5)塗膜の吸収率の影響、(6)レーザ照射時のコンクリートの温度についてレーザ照射エネルギーを変えて検討した。 この結果、(1)コンクリートにかかれた落書きの除去方法は、溶剤によって落ちにくいので落書きの上から塗装して落書きを隠す方法が一般に採用されている。(2)水セメント比30%、40%、50%および60%による落書き除去性には顕著な影響は認められなかった。YAGレーザはコンクリート表面を傷つけることはなかった。半導体レーザは表面の損傷が認められた。(3)コンクリートの含水率の影響は、含水率が小さい方が除去性がよい。(4)黒色の落書きは良く落ちるが、赤色及び青色は黒に比べて若干落ちにくい。(5)レーザ照射時のコンクリート表面から深さ方向の温度は、レーザの特徴である瞬間加熱瞬間冷却作用によりコンクリート表面のみ高温になるだけで、コンクリート内部の品質を低下されることはない。 これらの検討結果から、「YAGレーザを用いたコンクリートの落書き除去方法」を提案した。レーザの照射条件は、パルス発振で、平均出力33W、照射速度45m/min、焦点外し距離100mmとし、レーザを照射して落書きを除去した後、コンクリート表面に残留する粉状物質をブラシなどで取除く。この方法で除去すると、コンクリート表面の風合いを損なわずに色差は5以下まで落書きを除去することができる。
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