研究課題
基盤研究(C)
第一章「日本における分散型地域エネルギーシステムの実態調査」では、日本における熱供給及び分散電源の状況及び海外との比較を行った。第二章「地域分散型エネルギーシステムのデータベースの構築」では、建物別のエネルギー消費原単位の整理、日米における電気料金システム、分散型電源技術や政策の比較を行った。第三章「北九州学術研究都市における地域エネルギーシステムの計測調査研究」では、2年半のデータを用いて、北九州学術研究都市のエネルギーセンター熱源システムの発電及び排熱利用状況を分析した。その結果として、ガスエンジンと燃料電池の発電効率は、規格容量よりやや低いではあるが、ほぼ安定的に運転されている。しかし、排熱利用は現状ではかなり低い。1次エネルギーを無駄なく使用することは大きな問題になっている。第四章「評価システムの開発」では、地域エネルギーシステムにおけるエネルギー及び環境特性に関するシミュレションを行い、省エネルギー性、環境保全性、経済性の面から、分散型地域エネルギーシステムの導入可能性及びその効果を評価する手法を提案した。第五章「ケーススターディによる検証」では、北九州学術研究都市における地域エネルギーシステムの評価、住宅団地における地域エネルギーシステムの導入効果及び分散型エネルギー導入による地域の熱・大気環境への評価を行った。第六章「結論と展望」として、実証研究で得られたデータ及び開発された評価手法を用いて、都市インフラとして定着しつつある分散型エネルギー資源の導入による大きな省エネルギー・環境効果に着目し、それらのシステムの導入及び計画設計を支援するツール開発を行いたいと思う。地域のエネルギー需要に合わせて導入可能性を検討し、事業性のある最適なシステムの設計支援ツールを構築していくと考えている。
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日本建築学会環境系論文集 6月(採用決定)
110004787943
Journal of Asian Architecture and Building Engineering Vol.4
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空気調和・衛生工学会九州支部研究報告 第10号
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