研究概要 |
1.これまでの研究において,夜景の印象は,光特性の影響を受ける一方で,街路の形態にも大きく影響されることがわかっている。夜景空間特性の把握においては,街路の代表的な形態モデルを適切に想定する必要がある。本年度は,多様な都市空間が混在するマレーシア・ペナン島・ジョージタウンの街路空間に注目し,その形態構成のCGモデリングを行い,モデリングのプロセスを解析することにより,形態生成の文法(原理)を把握することを試みた。 2.従来,街路空間の評価実験には,28ミリ程度の広角レンズを用いて撮影した街路の見通し写真(街路の進行方向に向けて撮影した写真)を用いることが多かった。この方法は,イメージレベルでの空間の印象を適切に評価できるものと考えられるが,閉鎖感・囲まれ感などの全方位空間の評価には難があると考えられる。本研究では,魚眼レンズで撮影した写真を半球ドーム型スクリーンに投影する空間評価実験,同じく魚眼レンズで撮影した写真をVR(仮想空間)表現として記述する手法を検証している。 3.コンピュータを用いた定量的な夜景特性の解析のためには,上記の形態モデルに様々な光特性を与えるコンピュータ・シミュレーションの手法を開発し,形態モデルに与える光特性がどのような空間(空間の印象)を生成しえるのかを検証する必要があると考えられる。本年度は,画像生成・解析の手法を確立するための基礎的研究として,画素の配列によって生成される透視図を描画するプログラムを開発した。
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