研究課題/領域番号 |
14550637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉本 俊多 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00127664)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 1930年代 / ブルーノ・タウト / ミース・ファン・デル・ローエ / 建築形態 / 有機主義 / 多様性 / グローバル化 / 1930代 / 伝統性 / ロシア / 機能主義 / 表現主義 / 釣合 / トルコ / 建築様式 / 近代建築 |
研究概要 |
ドイツ人建築家の1930年代における外国での活動について、ドイツ、トルコ、ロシアおよび日本国内での資料調査を行い、また建築作品案の形態復元、建築理論の詳細な理念分析を行った。 特にブルーノ・タウトのロシア、日本、トルコでの活動に重点を置き、建築作品、設計案、著作の調査、分析を実施した。その結果、他のモダニズム建築家たちがインターナショナル・スタイルへと進む一方で、タウトが多様性を含むグローバルな建築理論を探求し、実践するに至った過程とその具体的な建築デザイン手法を整理することができた。そしてドイツ時代における表現主義的な複雑性志向の考え方から、ロシアにおける実験的な試みと挫折、日本における非西欧型の文明との融合を試みた建築理論の展開、トルコにおける各国の伝統を融合する混成系デザインの手法を用いた実践の過程は、一元化するインターナショナル・スタイルを批判する、積極的な有機主義の建築デザインの探求だったことを明らかにした。 また、ミース・ファン・デル・ローエはアメリカへ移住する過渡期に開放系のデザインからコートハウス、箱形建築といった閉鎖的形式へと移行し、近代建築の古典主義的な形式化へと移行する過程だったことを明らかにした。 全般に1930年代のドイツ人モダニズム建築家たちの多様な活動は、インターナショナル・スタイルの成功後の、その問題点に対するさらなる課題への取り組みとして見直すべきものと評価できた。1930年代の国際普遍化とそれに対する批判となって現れた有機主義的な傾向の二重化は、現代におけるデザインのグローバル化と他方の多様化、有機的エコロジカル・デザインへの二重化と軌を一にし、その先駆的現象と見なすことができ、二十世紀の近代建築に内在する基本的な思想構造を示すものだったことが明らかとなった。
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