研究課題/領域番号 |
14550665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大矢 豊 岐阜大学, 工学部, 教授 (80167311)
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研究分担者 |
伴 隆幸 岐阜大学, 工学部, 助手 (70273125)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 酸化亜鉛薄膜 / 配向膜 / エタノールアミン / ヒドロキシケトン / 薄膜トランジスタ / ジルコニア膜 / 電気伝導度 / 高誘電率膜 / 酸素吸着 / フォトルミネッセンス / アセトイン |
研究概要 |
酸化亜鉛薄膜を、酢酸亜鉛を原料としジエタノールアミンやアセトインとモノエタノールアミンの複合添加によって調製したイソプロパノール溶液から作製した。調製した溶液の濃度は0.5mol/Lである。アセトインとモノエタノールアミンを複合添加する場合はそれぞれの添加量を亜鉛の物質量に対して0.5および1.0倍とした。アセトインがこれ以上含まれると1ヶ月程度で沈殿が生ずる。作製にはディップコーティングを主に用いた。用いた基板は耐熱ガラス基板及び130nmの熱酸化シリカ相を有するシリコンウェハーである。シリコンウェハー上にコーティングする場合には、非イオン系の界面活性剤を添加した。コーティング後、600-900℃の温度で熱処理し、酸化亜鉛薄膜とした。さらに、熱酸化シリカ相と酸化亜鉛相の間に比誘電率が中程度の絶縁酸化物膜をコーティングした。 酸化亜鉛薄膜は急熱処理を行うことでC軸が基板面に対して垂直に配向した。さらに500-600℃の熱処理で比抵抗が1-5Ωcm、それ以上の温度だと若干比抵抗が大きくなった。比抵抗が最も小さいときのキャリア濃度は10^<18>cm^<-3>程度、移動度は1-5cm^2/Vs程度であった。この酸化亜鉛薄膜をシリカ膜/シリコンウェハー基板上にコーティング・熱処理し、酸化亜鉛膜上に電極を付けて測定すると、シリカ膜を通したかなりの漏れ電流が測定された。これは、熱酸化シリカ膜の欠陥に由来すると思われる。この欠陥を不活性化するために、比誘電率の高い酸化物絶縁体膜をシリカ膜上にコーティングした。選択した絶縁体膜は酸化ジルコニウム、酸化タンタルなどである。酸化タンタルは十分平滑な製膜が現在までできていない。溶液中の不溶成分等を除去し、界面活性剤などを添加する必要がある。これに対して酸化ジルコニウムは十分平滑かつ不活性な膜が可能であり、これを中間層とすることでシリコン基板上に薄膜トランジスタを作成することが可能であることが示された。
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