研究課題/領域番号 |
14550678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
磯部 徹彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30212971)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ZnS:Mn / 逆ミセル / フォトルミネッセンス / ナノ蛍光体 / ナノクリスタル / 量子ドット / シリカ被覆 / Zns : Mn^<2+> / 蛍光体 / ナノ粒子 / エネルギー移動 |
研究概要 |
逆ミセル微小反応場を用いてZnS:Mn^<2+>ナノクリスタル蛍光体をラウリルリン酸(PhosH)、SiO_2および両者によって表面修飾したサンプルを比較し、Mn2+による発光強度が増大する機構を追究した。その結果、ZnS:Mn^<2+>ナノ蛍光体にPhosHまたはSiO_2を修飾すると、量子閉じ込め効果や表面欠陥のキャッピング効果によって、Mn^<2+>の発光強度を増大できるが、PhosHではZnS:Mn^<2+>との化学的相互作用を介して発光強度をさらに増大できることが明らかにされた。次に、ZnS:Mn^<2+>ナノ蛍光体をシリコーン樹脂中へ分散させた蛍光シートの光吸収・蛍光強度の測定を行い、ナノ蛍光体の透光性がもたらす効果を評価・検討した。ナノ粒子のサイズが小さくなるほどレイリー散乱光が粒径の6乗に反比例して小さくなるため、ナノ蛍光体分散シートでは透明性が向上する。蛍光体分散シートを前方から励起し、前方で蛍光を検出する際に、シートの裏側にMgO白色板を用いた場合と用いなかった場合の蛍光強度を比較した。その結果、バルク蛍光体分散シートではMgO板を用いた効果は見られなかったが、ナノ蛍光体分散シートではMgO板を用いることにより蛍光強度が約1.5〜2倍に引き上げられることがわかった。これはナノ蛍光体分散シートの高い透明性による効果で、MgO板を用いない場合はシートの後方に透過した蛍光がMgO板を用いることによって反射され、再びシート内を透過して前方に引き出されると考えられる。また、蛍光体分散シートの後方から励起した場合の蛍光強度を測定したところ、バルク蛍光体分散シートでは粒子濃度が増加すると蛍光強度が低下するのに対し、ナノ蛍光体分散シートでは逆に上昇することが確認された。この結果もナノ蛍光体分散シートの高透明性に起因する。以上より、樹脂封止する蛍光体をナノサイズ化することで蛍光取り出し効率を向上できると結論付けられる。
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